ともがら/万願寺
 
背中を見る。ずっと見ている。
苗場のユーミンに切れていた。あなたは色んなことに切れていた。荒井由実しか認めないと言っていた。その気持ちはわかる。わかるというのは想像はできるという意味で、正真正銘松任谷世代の私には、感覚としては分かり兼ねる。色んなことに新鮮に切れていた。愛ゆえ。そう、世界を愛するがゆえ、世界に不誠実な人や物にたいして、切れていた。
そのようなあなたの背中が遠い。日ごとに、じょじょに、遠くなっている。私は立ち止まっていて、ここにいて、あなたはずっとずっと次の遠くの場所へ行ってしまうから。
突然でしたね。さようならを言われてくれない。私には言うつもりがないからいいけれど、言わせる
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