「解放」の淋しい心地良さ/岡部淳太郎
赦しととらえ、そこに「おちてゆく自由」があるのだろうとも考えたわけだ。
内幕がどうあれ、この詩を書いてから何となく僕の中で「解放」だとか「赦し」といったテーマが定着していった。人が何かから離れる時、そこにはある種の「解放」があり、その中には「赦し」も含まれているのではないか。そう考えるようになった。人は常に様々なものに縛られて生きている。それは人が社会的生物である以上、ある程度は仕方がないことであるが、時にそれらから離れて解放され、自由を味わってみたくなることもある。だが、自由には常に責任がともなうし、たった一人で自らを背負いこんでいかねばならないということでもある。そのような責任の重さがある
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