「解放」の淋しい心地良さ/岡部淳太郎
月堂)に収録した詩だ。書いた当初はなかなか自信が持てなかったが、ありがたいことに様々な人から高評価をいただき、いまでも自分でも気に入っている詩の一つとなっている。そこでは枯葉が枝から離れて落ちてゆくさまを「ゆるされて/きりはなされた」と言い、また「おちてゆく自由」とも言い表した。「季節はしだいに/淋しいほうへと向かって」ゆきながら「寒さを/早めさせ」てゆく。そして枯葉は集められて「焼かれてのぼって」ゆく。まるで恩寵のように。そしてまた、もう一つの解放のように。
この詩のきっかけはジョン・メレンキャンプというアメリカのロックシンガーのアルバム「The Lonesome Jubilee」にある。若
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