どうか咲いていて/ホロウ・シカエルボク
 
んだ。

朝、目覚めて顔を洗いに台所へ行く。洗面台なんていう洒落た設備はついていないのだ。顔を拭きながら花の方を見ると、少し元気がなくなっているように思えた。特に自分に出来ることもないような気がしたので、水だけ取り替えて仕事に出かけた。

帰宅してみると花は枯れ落ちていた。あーあ、やっぱり無理だったか、とかなんとかひとりごちながら花を捨て、空缶を専用の小さなダンボール箱へ投げ込んだ。そうしてしまうと俺の部屋はもとの漠然とした景色に戻った。少し寂しいようなそんな気もしたが、数日経てば忘れてしまうだろう、そう思いながらシャワー、食事とお決まりの工程を繰り返した。時折だけど、そんな毎日を過ごして
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