カーニバル/山犬切
 
をこちら側にくるりと向けて「じゃあ、行く」と普通に答えた
夜の神社に着くと、おぼろげに薄もやがかかったようで大正ロマンのような景色が広がっていた フランクフルト、りんご飴、甘酒、金魚すくい、焼きそば、お面屋、射的、たい焼き、チョコバナナ、わたあめ、焼きとうもろこしなどを売り提供する店舗が所せましと並んでいてその景色は毎年のお馴染みではあるものの見ることを飽きさせなかった 神社はカーニバルのような様相を呈していた 少し神社を歩いていくと、全体を貫く石畳の道の真ん中より少し手前にお面屋があった お面屋で斎藤さんは目や鼻が赤く輪郭を青い線で縁取られている狐のお面を買った そしてそれを被って僕にお道化て
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