詩の日めくり 二〇二二年八月一日─三十一日/田中宏輔
敵はいるのだろうかという具合に混乱している。逆だった。戦線では時間がたつのが遅い。戦線から離れると速い。中心地で安穏とした時間は何年間にも及ぶものであったが、戦線ではそんなに時間がたってなかったのである。
10作目は、リン・カーターの「未収録作品」老批評家が主人公。主人公が若かりし頃、パリで出会った男の話。男は発明家で、無作為に文字を打ち込む機械を造って文学作品を産み出していた。さいしょは古代作品を、それから現代文学を。そして未来に書かれるであろう文学作品を、という話を聞かされる。
11作目は、ジャナサン・ブランドの「消失点」ある惑星に老人がいた。地球に行きたいとキャプテンに言う。
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