はじめから手遅れ/ホロウ・シカエルボク
けれど、とりあえず少し様子を見てみることにした。ひととおり電話を終えてしまうと、それでもうすることを思いつかなかった。探しに出る?どこに?私物を全部持って近場をうろついているなんて思えなかった。空港や駅に電話をして、彼女が利用した形跡があるかどうか調べてみようかとも思ったが、そんな安手のドラマみたいな話に彼らが協力してくれるとも思えなかった。ぼくはとりあえず昼飯を食べながら今後のことを考えることにした。冷蔵庫にあるものを適当に刻んで、冷飯を使ってピラフを作って食べた。食べると眠くなったのでソファーで転寝をした。
夕方、玄関のベルの音で目が覚めた。ぼんやりした頭で出てみると、彼女が買ったものら
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