しばづけのおにぎり/山犬切
 
校舎の屋上から青空の広がる町の景色 縁の手すりに腕を置いて俯せて俺はふるさとの町を見てる
2限目の授業を体調が悪いと嘘をついて保健室に行くフリをしてぼんやり
心の中は砂嵐。 枕についた涎のあとみたいな濁った脳内 濁った日常 魚眼レンズで見てるようなゆがんだ視界
太陽が照らす光に恵まれずアフリカの道で物乞いをする痩せた少年のような飢餓と孤独で虚ろになったこころ
空は他人事のように、あるいは青く美しい人の目のように澄んでいる
教室の俺の隣の席には竹川さんという女子が座っているのだけど俺は彼女の心を知らない 彼女のスカートの中も俺は知らない
俺には母親がいない とっくに死んでる
俺は唐突に
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