しばづけのおにぎり/山犬切
突におにぎりが食べたくなった
2年前ぐらいに母さんがよく作ってくれたしばづけのおにぎり…アレが無性に恋しくなった
チャイムが鳴るとそれは鳴り響いて それが響く間に焼きそばパンを齧った
最近暇つぶしで見てる日常系のアニメを見ていたら青い髪をした美少女が紫色の髪をした美少女と日常を和気あいあいと過ごすシーンがあったけど そんな楽しい日常からも俺は疎外されている
俺の日常やリアルはくだらないし意味がないのかもしれない
もう母さんの作ったおにぎりもなければアニメに出てくるような楽しくまぶしい青春もない
けれど俺だってこの日常を唄いたい
3,4、5時限目を通り過ぎて下校時刻がやってくると、雨が降らない間にと帰り道を急ぐ
「H×H」の載ってないいつものジャンプを制服の小脇に挟んで長い踏切を待って歩んでいくと
電柱でカラスが悪魔のように死んでいて
赤い血がしたたりおちていて
サーッと夕方に風が吹いて
芒がふるえて
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