スズメバチ(SS私小説)/山人
 
込んではそそくさとセルフレジを後にした。
 夕食は六品ほど考えていたが、原材料費を抑えつつ、馳走風に脚色する必要があった。ナスを何とかして馳走風にできないものだろうか、と考えた時、田楽風にしてみたらどうだろう?という発想が浮かんだ。生のナスを切って甘辛い味噌を塗り、グリルで焼くという方法が浮かんだが、それではナス全体に火が通ることは不可能だ。一度素揚げにしないといけないだろう。つまり一度素揚げし、その表面に甘辛い味噌を塗り、グリルで焼き付けるというものである。結果、まずまずだったが、塗った味噌の味がしょっぱすぎて、今一つであった。だったら、ただの揚げナスか煮びたしなどにした方が良かったのではない
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