Free/ホロウ・シカエルボク
 
り上げられるものが詩である。文字の上だけで伝えようなどと思ってはいけない。それはもっともやってはいけないことだ。メロディーにならない音符を楽譜の上に好き勝手に置いていくようなものだ―ここでいうメロディーとは言うなればイメージだ。いくつかの言葉を連ねることで、もともとの言葉だけでは喚起しえないイメージを生み出す。そうした工程が必ず必要になる。言葉単体の意味に頼ってはならない。それはひとつの意味でしかない。工程が複雑化すればするほど、イメージもそうしたものになってくる。そうすると伝わらないのではないかと書いている途中で不安になるかもしれない。でもそんな心配はする必要ない。どのみちひとりの人間のイメージ
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