西脇詩の音楽性/藤原 実
 


最後に篠田一志が「人と文学」(『現代文学大系34 萩原朔太郎,三好達治,西脇順三郎集』筑摩書房)で、西脇詩の受容のためのこころがまえを次のように書いてくれているので紹介をしておきます。
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「まったくの先入感なしに、詩人は読者に言葉、あるいはイメージだけを追い、そこに交響する音楽に耳をかたむけよ、とまず指示する。」
「一行はこのまま読み下せばよろしい。どんな色のバラが悲しみなのか、と一寸考えてみたくなるが、まあ、考えたところで仕様のないことだ。」
「前行とどういう関り合いがあるかと考えることはあまり意味があるまい。意味がないどころか、有害ですらありうる。」
「読みかえすとき、
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