「ぼくの過去は、むしろ西脇とは無縁なところにあった。西脇のことばが詩にむかうところは、ぼくにはことばが死滅するところのように思えていた。ぼくが西脇の詩についての印象を訂正して、そこに強固な詩の世界が自立していることを認め、しかも、まさにその点において、日本の現代詩が欠落させているものの巨大な象徴を見出すようになったのは最近のことである。」