詩の日めくり 二〇二〇年十月一日─三十一日/田中宏輔
三日 「星からの道」
1作目は、カーティエ・ハールパットの「星からの道」男女の老人たちがピクニックしたりしているのだが、話がいっさいわからない。SF風味もいっさいない。なんじゃ、こりゃ、という物語。1ミリもおもしろくない。
わからないのは、ぼくの読解力がないためかと思い、読み直した。ラジオ短波で通信のやりとりをしていた主人公の老人に、土地を分けてもらおうとする相手が、なんと地球人ではないとニュアンスで綴られる。これがわからなくさせてる原因。宇宙人とはっきり書かない。老人は土地を奪われると怖れる。相手の宇宙人は、奪おうなんて思っていない。というわけだが、さいごは、老人の友だちの老
[次のページ]
戻る 編 削 Point(14)