詩の日めくり 二〇一九年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
は面白かった。むかし読んだ長篇の『幾たびもペテロ』も傑作だった。どのような作品かは覚えてないが、大量に引用してルーズ・リーフに書き写していたことを覚えている。

 ブライス=エチェニケの一篇があったことだけでも、岩波文庫の『20世紀ラテンアメリカ短篇選』を買った価値があったかなと思われた。さて、きょう寝るまえの読書は、この短編集の最後に収録されているビオイ=カサーレスの「水の底で」である。おもしろいかな。どうだろう。おもしろければいいなあ。

 ビオイ=カサーレスの作品「水の底で」は、ふつうにおもしろい程度だった。しかし、まったくおもしろくなかった、アナ・リディア・ベガの「物語の情熱」
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