詩の日めくり 二〇一九年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
憶している。それとも60円かな。いまから50年以上もむかしのことだけれど。


二〇一九年五月十五日 「20世紀ラテンアメリカ短篇」


 岩波文庫の『20世紀ラテンアメリカ短篇選』を255ページまで読んだけれど、ちっともおもしろくない。他の短篇選はけっこうおもしろかった記憶があるのだけれど。ぼくが読み手として厳しくなってきたってことなのか、感性が鈍ってきたってことなのか、わからないのだけれど。


二〇一九年五月十六日 「同級生」


 日知庵からの帰り、阪急電車に乗って帰るとき、電車のなかで、「あつすけ!」と呼ばれて見たら、見知らぬおっさんが、にんにくの臭いをさせながら
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