ボロボロの壁/ホロウ・シカエルボク
の類も?と医者は続けてきいてきた。俺は黙って頷いた。
「そういう…なにか、病気の疑いがあると?」
医者は少し迷いながら、けれども言っておいた方がいいだろうと判断したらしく、少し真剣さを強くしながら、こんなことを言った。
「人間はなにか大きなショックを受けたとき、心と身体のバランスが取れなくなる時がままある、本人がそのショックを自覚していない場合、無意識下においてそのショックに対してバランスを取ろうとするケースは結構ある…例えば、寝てる間に自傷行為に及ぶとかね。」
医者はそう言って俺の目をじっと見た。
「ここは総合病院だ。このまま精神科医に診てもらうことも出来る。君がそう望めばね。」
俺
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