集合的無意識の真の意義/朧月夜
に多くの「自然」を見出しているわけだ。
もちろん、真の自然であればそれよりも多くのフラクタルを有している。冬枯れた林の枝々であれば、希望が世界と衝突し、一つ一つ消えていく過程、そして宿命を負ったものだけが天に向かって伸びていく過程──のようにも見えるだろう。一枚の葉の葉脈は、人の感情や意匠が世界の中にどのように溶け込んで行くか、を暗示しているようでもある。
人間というのは、その普段の生活の中ですら、とりとめもない雑事に仮託しながら、個人として生き残っていく道、集団として生き残っていく道、人類全体が生き残っている道を常に考え続けているのだろう。「集合的無意識」という言葉が意味しがちなように、
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