詩の日めくり 二〇一八年十一月一日─三十一日/田中宏輔
てだろう?
二〇一八年十一月二十七日 「断片」
ぼくは、生まれつき、おそらくは生まれつき、他人がどう感じ、どう考えているのか、その他人が使う言葉と表情を前にしながら、その言葉の順番を入れ換えたり、そのときのその人の表情に、違った日のその人の表情を補ったりして、推測するような人間だった。だから、自分の気持ちよりもずっと容易に他人の気持ちを推測することができたのであった。これが、異星人の通訳に、ぼくが選ばれた理由だ。
二〇一八年十一月二十八日 「ウォルター・テヴィス」
新編のSF短篇アンソロジー『冷たい方程式』を読み終わった。わかりやすい作品ばかりだった。
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