業/あらい
 
かまえ
それで、つりあって動けぬ
物静かな羊、そのものでありたかったのに
櫻の苑
眠りから褪めてしまったのだ。

「屠所の羊」

なだらかにもりあがる山なり、
吹き溜まりにうねる砂丘。
肉塊は肌身離さず、
母胎を擽る熱量は未だ亡骸を覆う膜。
艶かしさを重ねる薔薇色を散らしては、
駆け引きから得られる快感を足す。
繋がれた宿星はか細く輝く。
ひとつ臙脂の品が削げ落ち、
ふたり腸詰めされた霜降りの月が熟れ、
小さなキミはころんと転落する。
最上の尾をひき虹彩を用いて口を開け
、呱々。
凄絶の未来と明確に、

「灼たかな穿孔」

遠くと置く、
褥に軋む点
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