ポピュラー・ミュージックは文学たり得るのか?/朧月夜
すぎる距離を保って連結しているものだからです。そして、人というものは、全ての感情や意志や動機というものを、常に同時に抱えてながら生きている存在だと言えます。
こうした文学の本質において、思想や哲学、システム論、世界観、そういったものを表現したところで、文学にとってはさしたる価値をもたらすものではありません。文学というのは、人間という極小のものと、世界という極大のものを表現するものだと言えます(人の精神が触れ得る極小のものとして、人間自体という存在があり、極大のものとして、世界という存在があります)。
そして、世界には最小のものと最大のものとがともに含まれている。世界というものは、常に人間が
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)