概念とはグラデーション的な実在ではないのか?/朧月夜
 

 このように、「混沌」と「虚無」の間には密接な関係があるのですが、もし真の混沌というものが「秩序が存在しない状態」すなわち「乱雑さ」として定義されるのであれば、これは数学の世界ではランダムネスという名前で呼ばれるものの集合と同じものになると思われます。数学的な秩序が与えられた時に、有限のやり方では導き出すことが出来ないものがランダムネスです。
 数学というものをどう定義するかによっても変わってくるのですが、わたしたちの住んでいる物質的実在の世界、すなわち実数をベースにした世界で真のランダムネスの集合とされるものは、マルティン=レーフ・ランダムネスと呼ばれます。一方、これと対になる秩序について言
[次のページ]
戻る   Point(3)