概念とはグラデーション的な実在ではないのか?/朧月夜
 
扱い方にも変化が表れてきます。「円」や「直線」といった概念を一切使わないという文化も、ことに未開部族の間であれば未だに存在するかもしれません。今後文明が退化した場合にも、そうした表現や文化は表れてくる可能性があると言って良いでしょう。
 単純そうに見えるのに、実は複雑であるような概念も存在します。例えば、「存在」あるいは「存在する」といった概念についてはどうでしょうか。何をもって物事が「在る」という状態を示すのか、これはとてもあいまいだと言えます。過去に在って現在にはない事物や現象は、果たして「存在する」という概念に結び付いているものでしょうか。あるいは、イメージの中だけに存在する事物や現象は、
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