精神病院でのある一日/朧月夜
 
度は、コカ・コーラの配送車が一台入ってくる。台車をおろして、ペットボトルのケースを乗せていく。──こんな風に書いていると、まるで日常生活の一コマのようでもあるのだけれど。……看護師さんが、車いすに一人の患者を乗せて、押して歩いていく。(そこでやはり自分は入院中なのだ、と思ったり)
 今度は頭上にヘリの旋回音。雲の上を飛んでいるのか、姿が見えない。淡い雲間光はいつしか、低く垂れこめた雲のなかに隠れている。
 また、通りかかった父親と息子(?)の親子が、
「〇〇ちゃんがタンコブ作ったんだって……」
「本当?」
「〇〇がタンコブ作ったから」
 ……そうして、どうなるんだろう。
 工事業者の
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