詩の日めくり 二〇一七年十三月一日─三十一日/田中宏輔
らだよ
きみも狙われたのだね」
後頭部に触れると濡れていた
血だろうか
「その傷の大きさだと縫わなければ
消毒も必要だ
わたしのところにきなさい」
ドクターに支えられて
河川敷の砂利道を歩いた
二〇一七年十三月九日 「詩」
言葉は
形象から形象へ
言葉は
形象から形象へ
詩は
個から個へ
詩は
個から個へ
という
感じだろうか
結局のところね
ほかの芸術はたとえば
舞台や
映画や
演奏会は
ただひとりのために
という感じじゃないけど
詩は
なぜだかしらん
個から個へ
って感じね
対象は
個じゃなくてもね
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