「約束の日」の彼を胸に/服部 剛
 
まわないように
 俺はいつまでも叫び続ける
 嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼・・・!」   *

と尾崎豊の年齢を越えた僕に問うように
あの頃と変わらぬメッセージを伝えている

吉祥寺のアパートで午前零時に再会した友は
肩を落とした僕のくたびれた表情の前に
一杯のワインと半分に割ったチーズを差し出してくれた

いつか真夜中のBarで君が人生の暗闇に沈み
痩せこけた頬に影を浮かべていた横顔の傍らで
僕は無言でうなずくことしかできなかったけれど

あの いつかの 夢の時間を過ぎた今
変わらずにワイングラスを交わす音の響きが
なによりも僕の闇に萎えた心を震わせる

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