いつか声をあげるときに/ホロウ・シカエルボク
 
りで歩くことを再開します、ひとりで歩くことになった、とわたしは考えます、けれど不思議なことに、怖れも心細さもそこにはないのです、ただやるべきことをやるだけだ、とわたしは考えています、あのひとの行動はあまりにも軽率に過ぎました、しかたのないことです、そんなふうに思い、それから、これはいったいなんなんだろう、と。首をひねるのです、あれは確かにあのひとの落度だった、そしてわたしはあのひとのそんな姿を初めて見たのです、そういうことだったのです、わたしたちはみな原罪を抱いています、そしてそれを、どうしようかと考えながらこうして歩き続けるのです、おそらく、永遠に歩き続けることが出来るだろうというほどの大地の上
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