もみじ/板谷みきょう
 
ら川」に、飛び込むように滑り込んだ。
突然の青蛇の行動に獣たちは、止めることはおろか、その場を動くことすら、誰もできなかったのだ。
とんびが、空高く舞い上がり「ぬらくら川」を下り始めた青蛇の姿を最後まで見ただけだった。

「せせらぎの峰」に立つ、龍になることを、夢見ながら「ぬらくら川」を、下り「荒れ狂いの大海」を、目指した青蛇だった。
…が、青蛇の初めての川下りを、「ぬらくら川」は、唯々諾々と受け容れることは無かった。
ゆるゆると流れていたのが、のたうつようになり、時には、轟轟と音を立てる中で、いつしか青蛇は、やせ細り、鱗は剥げ、血が滲み、傷だらけになっていった。
幾つもの昼と夜を、
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