詩の日めくり 二〇一六年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
かなとは思うけれど。


二〇一六年七月十五日 「「わたくし」詩しか存在していない。」


けっきょくのところ、
あらゆる工作物は自我の働きを施されたもので形成されているので、
詩もまた「わたくし」詩しか存在していないような気がします。
また、「非わたくし」性を呼び込むものが
歴史的事実であったり、科学的事実であったり
他者の個人的な履歴や言動であったりするのでしょうけれど
それをも「わたくし」にするのが表現なのでは
と、ぼくは思っています。
引用という安易な方法について述べているだけなのではなく
引用以外の部分の一行一句一文字のことをも、
ぼくは
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