詩の日めくり 二〇一六年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
いうのが、ぼくには大事なポイントかな。芸術が芸術であるための一つの指標かな。ぎこちなさ。大事だと思う。クロートっぽいというのは、どこか、うさん臭いのである。とりわけ、芸術において、詩は、シロートっぽくなければ、ほんものに見えないのである。というか、ほんものではないのである。ぎこちなさ。

 岩波文庫『モーム短篇選』上巻の脱字 203ページ 3行目 「好きなだけ歌っていのよ」 「い」が抜けている。 岩波文庫に間違いがあると、ほんとに嫌気がさす。やめてほしい。間違ったまま、7刷もしているのね。うううん。

 読書を可能ならしめているのが、個々の書物に出てくる「ぼく」「かれ」「かのじょ」「わたし
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