早朝の散歩から/山人
 
的な部分や人間関係などをも巻き込むこの疫病はいったい何のためにやってきたのだろうか。神が私たちに与えた試練なのだろうか。それがゆくゆく何かの足しになるというのだろうか。
 
 川は守門川と言い、破間川と合流し、魚の川と信濃川と破間川が一体となり、信濃川として日本海へと流れる。大海のなかに流れ込んだ水は、やがて蒸散され雨をもたらす。鬱積した雲から水滴が落ち始め、大きくせり出したブナの樹冠へと降り注ぐ。葉は基部から雨水を受け取り、葉先のとがった部分で雨を集め、樹幹へと流してゆく。樹幹から根元に流れた水は団粒構造状の土の中に蓄えられ、濾され、ちろちろと山麓へと流れだす。もしかしたら過去に出会ったこと
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