詩の日めくり 二〇一五年十月一日─三十一日/田中宏輔
 
わずか50円のことだからか、とても自分がふがいない。情けない。ああ、いやだ〜。あした1時間目からだから、もうクスリのんだ。未読の本がいっぱいあるのに、塾のバイト代が入ったら本を買おうと思っている。こんなに文学に貢献しているのだが、他人から見たら、ただの無駄遣い。おやすみ、グッジョブ!


二〇一五年十月十九日 「嘔吐」


 ぼくはサルトルの『嘔吐』が、認識の嘔吐だと思っているのだけれど、ものごとをより深く知ると吐き気がするのは、ぼくだけのことじゃないような気がする。ああ、でも、もっともっと深く認識できたら、それは生きているうちにはできないもののような気がするけれど、喜びになるとも思わ
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