藪椿イデア/あらい
たい。
はぐらかそうと必死に流れに逆らい
ばたつかせた、ハネもない 背を
地に足をつけたままのサナギである。人と思えば
イカれていて羽化したてのみどりご、と
知れば 「濡れ絖る。」
なんてことも無い、
さて如何様。と、気がふれてしまうとは許し難く。
しかも
免れなくては
成らないとは、嘗てから常々言い聞かされて
いた
と、言うのに
躰は従順にも私自身を
聞き入れようと息を殺していたらしく。
遇ったばかりのウザったい小バエが曝された視野を
しばたかせるあたり。
この喉を潰して嘶き亘る永久とし、茨と頂かれた者共の
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)