藪椿イデア/あらい
 
共の
従者の烈、
螺旋のかいなで昇り詰める。萌えるような花々に
口惜しくも、華々しく
その腹充ちて散らかる。
総てをおとしめて、由々しきと、はじまろうとして。

 これはなにもかもおわったあとの杯でしか有り得ない。
   ひとつまみの灰をそそいで、「拾《ジツ》とみる」

                    「金切り声」
そして割れ鐘が業を煮やす。私が、胚に変える
         その時を 分かる気がした。
そのような万華鏡の疑四季に浮き彫りにされ
     薄ら化粧
施された土気色の夢、
     白妙の結晶が虜と愛した、これが
     しろがねの幻に狂い咲くようだ。

僅かばかり掻き毟りて身と懐きて、そうして偲ぐ。
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