藪椿イデア/あらい
ていた。
「その隻腕」
何処へも届かず、にやと解かれた
口際から黄ばんだヤニと嘆息を
しなだれさせてもまだ
やんわりと無奏する。これらすべて
「雄弁下劣の嘲笑」
ぃぃから易々から等と ぶつくさ
あれは不遜にも時を諮るのだと からがら
しわがれて ままとわたしと のしかかり
知ったような口を利く。
天地鳴動の憐れ
「疾走」
くんずほぐれつ。
白鷺の空から塩梅酔いばかりの、
春の宴の席で 酔いとはばかり、
「私」は
泡を繰ったよう、そそくさ雲隠れ命を繋ぎたい
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