反射窓の印象/道草次郎
ぼくは、今日は絶対聞くことだけに徹しようと思っていたので少々面食らった。なので、もごもごとぎこちなくこんな事を言った。
「ぼくの場合は部屋に篭もり切ってしまうというタイプの引きこもりでは無かったので、絶対適当なことは言えないのですが、息子さんは、きっと他の誰よりも、男であることや自分が地域の中に生きていることに自覚的だと思います。そして、息子さんは自分というものをどれほど責めているか、これは計り知れません。でも、すごく偉そうで申し訳ありません、そんな息子さんにもすごくいい所はあると思うのです。えっと、息子さんにしかない良い所が必ずあって、それは本当に本当に凄いことだと思います…」
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