反射窓の印象/道草次郎
によく話をし、特に母親は自らの行動や思考の特徴や時事トピックについて饒舌に話していた。この人たちとは後で一応連絡先の交換をした。
会も終わりに近付いた頃である。
すでに80歳は超えていそうな高齢な女性が50歳になる引きこもりの次男のことを話し始めた。次男はもう何十年も引きこもりの状態にあるらしく、時々顔は合わせるが、食事は基本的に2階の部屋のドアの前に置いておく。自分ももう良い歳なのでこの先どうなるのかと不安だという相談だった。
その時、司会の人がいきなりぼくに意見を求めてきた。というのも、初めの方の自己紹介でぼくは自分が26歳まで引きこもっていた過去を話していたからだ。
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