隕石のながい尻尾/道草次郎
またその背中をくたびれた超空洞(ボイド)は登り
またその背中をくたびれた果てしなく膨張続ける宇宙そのものは登り
またその背中をふたたびくたびれた男は登り
また
「蒐集家」
台座の上の青銅器、イチジクの実、七つ葉のクローバー、大部分のページが散逸した古代図書、チョークの粉にまみれた獏の剥製、色褪せた数世紀分の星座表、蜘蛛の巣の張った骸骨、 鉄製の什器、山高帽が掛かけられた一角獣の角、頑丈なマホガニーの机、無限にループする古代王朝紋章のホログラム、呪文の刻印が施された壁紙、銀髪を靡かせる乙女のイメージ、白馬のイメージ、回転するマゼラン星雲の遠景…
ああ、何
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