隕石のながい尻尾/道草次郎
 
り、めくるめく時の襞がその内部へと無限のドミノ倒しになった。かと思いきや、浮遊黴が咽頭の関所をかいくぐり肺胞へと到達する。意識という陋屋はその時、正十二面体構造の相似形を直角し擽ったそうに転げまわる。それは跳ね、飛び上がり、スピンし、振動すると同時に沈思の砦に自らを自縛する。あたりを見まわすとエメラルドグリーンのきな臭い空。ここは今どの辺だろう。ジュラ紀層をやっと掠めたばかりだろうか。俺は古代の清流に沿って飛んで来た、余りにも脆い一匹の蜻蛉でしかなかったようだ。




「海に降り注いだ微小隕石」

クリスタルの上老い臥せる石造りの街

逆再生される雨と殺人


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