隕石のながい尻尾/道草次郎
 
れは、錆びた冗談だった。密度を保ちつつ諧調を下る意識だけがそこにはあり、真ん中では銀色の服を来た猿が黙々とタイプライターを打ち込んでいた。

 際涯であると同時に極点でもある大陸。或いは、微生物の透明な意識で編んだ饒舌な舌。それは他のあらゆる島に生き写しだったが、他のいかなる空とも似ていなかった。微かな綻びが見られた。綻びは徐々にその大きさを増し、楕円星雲に似た空洞となった。その空洞は轟とともに近づいてきた。濃藍色の空を雲が物凄い速さで流れていく。それは早回しのフィルムのようであり、既にミニチュアめいた景観をなすその全容は全く恐ろしい出来事のようであった。気が付くと吹き荒ぶ強風が襲い掛かり、
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