隕石のながい尻尾/道草次郎
ている。カーテンを引く。黴臭い匂いがたちこめ鼻孔をつくが胸は安堵に満たされる。おそらく都の西の彼方には、ちょうど平行分岐線(詳細は不明だが、常に動的である王国の、唯一ではないが、それほど多くはない進路指標の一つであると考えられている。線であると同時に、それは点であり、目に見えぬ多次元世界の三次元的投影でもある。n次元領域におけるある種のズレを補正するための調整機関であるとする説もある。)の巨大な溝(仰向けになったレビヤタンの腹に似ている)が姿を現し始めているだろう。そしてはるか上空、大気圏の裾野には巨大な飛空生物が浮遊しているはず。いや、非生物かもしれない・・・・もっともそんな事はどうでもいいこと
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