カスタマーサービス/中田満帆
、カナエ以外の体液で、あそこまでの効果を得ることはできなかった。カナエの愛液に可能性を見いだしたのは、酔っ払ったおれがワカメ酒をかの女に強いたとき、とんでもなく特別でヤッピーな感覚がおれを襲ったときだった。あるいは酒を呑みながらクンニしたとき、幻覚を見たときだ。おれは夜な夜な、かの女の体液を採取して、実験を繰り返した。それで生まれたんだ、Kという麻薬が。てなわけでおれは薬物家業を長らくやってきた。でも、そいつも終わり、顧客リストも焼いて、器具も棄てて、おれはまともになってやる。
「書いてるの?」
かの女が起きてきた。パンティだけをひっかけて、眼を擦ってる。
「いいや、考えてたんだ」
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)