カスタマーサービス/中田満帆
 
からだ。
 世界は冷たい。氷上に舌を垂らすような、舌が凍りつきそうな年月が過ぎた。サツのほうはなんとか撒いてきた。でも、そろそろあたらしい規制が設けられるかも知れない。警察のほうではまだ注意喚起の段階だが、おれはもう充分すぎるほど儲けてる。おれのブツには興奮作用や幻覚作用こそあれ、どんな薬物検査にもかからない。20時間もあれば身体から排出される。それでも顧客は増えつづけ、カナエはじぶんの取り分を巡って、あることないこといいふらすようになってしまった。あること、それはブツを希釈して第3者に捌かせて上前を刎ねること。ないこと、それはほかの女の体液からブツをつくってるってこと。なんども試みたものの、カ
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