音楽へのオマージュ(一部改訂・付け足し)/道草次郎
 
ら聴こえくるは
夜ごとに響きわたる
ハープの
不可思議な音色

ひた隠す慕い/憩い
燠(おき)に似た追想/俤(おもかげ)

湖岸には妖精たち
皓々たる月に
銀散らす水の足どり映え
うつくしく毀(こぼ)れた唇の
郁(かぐわ)しき安らい
鳴るように生えならぶ
青バラの彫刻

それは
夜々なりわたる夢幻の世界の
しずかなる横溢

きわだつひとつの音階すら
湖面のさざなみに
出会うたび
そのかたちを失ってゆく
うしなってゆく・・・


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ジムノペディ/サティ/2008年11月5日

つづく百
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