詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
『ドリアン・グレイの画像』第十三章、西村孝次訳)
「ぼくだけじゃない、みんなだ」
(グレッグ・ベア『天空の劫火』下・第四部・59・岡部宏之訳)
人間は、ひとりひとり自分の好みの地獄に住んでいる
そうかなあ
そうなんかなあ
わからへん
でも、そんな気もするなあ
きょうの昼間の記憶が
そんなことを言いながら
驚くほどなめらかな手つきで
ぼくのことを分解したり組み立てたりしている
ほんのちょっとしたこと、ささいなことが
すべてのはじまりであったことに突然気づく
「ふだん、存在は隠れている」
(サルトル『嘔吐』白井浩司訳)
「そこに、すぐそのそばに」
(ジイド『ジイドの日
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