詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
食べている草が
食べている土が
食べている光が
おいちいと感じる
1つ1つの事物・形象が
他のさまざまな事物や形象を引き連れてやってくるからだろう
無数の切り子面を見せるのだ
金魚が回転すると
冷たくなるというのは、ほんとうですか?
仮面をつける
絵の具の仮面
筆の仮面
印鑑入れの仮面
掃除機の仮面
ベランダの手すりの仮面
ハサミの仮面
扇風機の仮面
金魚鉢の仮面
輪投げの仮面
潮騒の仮面
夕暮れの仮面
朝の仮面
仕事の仮面
お風呂の仮面
寝ているときの仮面
子供のときの仮面
死んだあとの仮面
夕暮れがなにをもたらすか?
日光をよわめて
ち
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