詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
の栄光の及ばない
不純な光が
書き出していくと
東京だった
幾枚ものスケッチが
食べ始めた。
ごめんね、ともひろ
ごめんね、ともちゃん
幾枚ものスケッチに描かれた
光は
不純な栄光だった
言葉にしてみれば
それは光に阻害された
たんなる影道の
土の
かたまりにすぎないのだけれど
ごめんね
ともちゃん
声は届かないね
みんな死んじゃったもん
もしも、ぼくが
言い出さなかったら

思うと
バカだね
ともたん
もしも
自分が食べてるのが
光だと
知っていたら
あんとき
根が食べ出したら
病気なのね
ペコッ
自分が食べている羊が
食べ
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