詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
ファ系衛星の氏族たち』1、友枝康子訳)
おとつい、えいちゃんのところに、赤ちゃんが生まれた
えいちゃんそっくりの、かわいい赤ちゃんだった
つぎのdioは
森鴎外
ひさびさに日本の作家をもとに書きます
斉藤茂吉以来かな
問を待つ答え
問いかけられもしないのに
答えがぽつんと
たたずんでいる
はじめに解答ありき
解答は、問あれ、と言った
すると、問があった
ヴェルレーヌという詩人について
かつて書いたことがありますが
ヴェルレーヌの飲み干した
アブサン酒の、ただのひとしずくも
ぼくの舌は味わったことがなかったのだけれど
ようやく味わえるような気になった
もちろん
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