詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
まな落ちて 手ぬぐい落ちる 夏の浜
アハッ 漱石ちゃん
わが声と偽る蝉の抜け殻
恋人と氷さく音 並び待つ
ファッ
夏枯れの甕の底には猫の骨
これも漱石じゃ
わがコインも 蝉の亡骸のごと落つ
違った
わが恋も蝉の亡骸のごと落つ
わがコインもなけなしのポケットごと落つ
チッチッチ
俳句の会に出る。
1997年の4月から夏にかけて
ばかばかしい
話にもならない
情けない
って
歳寄りは思わないのね
会費1000円は
回避したかった
チッ
蟻ほどの大きさのひと つぶしたし
人ほどの大きさの蟻 つぶしたり
この微妙な感じがわかんないのね
歳寄り連中には
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