詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
で幼稚な精神の持ち主だけが
「破壊の喜び」を感じるのだろうか
どの恋の瞬間にも
「破壊の喜び」が挟み込まれる可能性があるのではないだろうか
ぼく以外の人間にも
恋のさなかに「破壊の喜び」を見出してしまって
とんでもない結果を招いた者がいるのではないだろうか
1生の間に
恋は1度だけ
ぼくはそう思っている
その1度の恋に
取り返しのつかない傷をつけてしまうというのは
そんなにめずらしいことではないのかもしれない
「破壊の喜び」
未熟で幼稚な精神の
と
いま言える自分がここにいる
当時の自分をより真実に近い場所から見つめることができたと思う
このことは
どんなに救
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